内縁関係での相続問題とは

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内縁者の相続

内縁者は、共に生活するなど婚姻する二人でありながらも、結婚届は提出しておらず、籍を入れておらず、事実婚となります。
内縁者は、法律上は妻または夫とはなっておらず、本来法律で認められる権利もありません。
結婚するときは、必ず籍を入れないといけないという法律はないので、事実婚も可能です。
ただ法律上は配偶者としては認められないので、籍を入れたときに発生する、税金や年金の優遇権利はありません。
ただ内縁関係でも、いくつか法律で権利は認められています。

同居や財産分与、連帯責任などは結婚した夫婦と同様に認められており、遺族補償年金、労働災害の遺族補償、退職手当などは配偶者として、特別に権利を認められています。
同姓や相続権などは、結婚した夫婦とは違い、認められていません。

・借地権

籍を入れていない内縁の夫婦は、相続権は妻にも夫にも発生しません。
いくら長く同居して夫婦だと事実を作ったとしても、相続する権利は一切発生せず、不服で裁判所に申し立てても、状況は覆りません。
ただし、唯一借地権のみは、相続することが可能です。

たとえばアパートを借りて二人で住んでおり、どちらかが亡くなったとしても、そのまま残された方は住み続けることが出来ます。
生活の場を奪うことは、権利の乱用となり、賃貸物件を借りることは、夫婦二人で借りたと見なされるのです。
借地権は相続権とは言えませんが、似たような性質があるのは間違いないです。

内縁者が相続するには?

内縁関係のある人でも、相続する方法はあります。

・特別縁故者

内縁関係の人が、特別縁故者となると、相続できる人物が他に1人もいないときには、亡くなった方の世話をしていた方が、相続可能となります。
ただ縁故者となるには家庭裁判所へ申し出ないとならず、通常相続人不在が10ヶ月以上続いてから行います。

ただ申し出ても、家庭裁判所が認めないと、縁故者にはなれません。
そのためには、相続できる人物が他に1人もいないことが条件です。
1人もいないとは、相続権のある方が亡くなっている、さらに相続権利のある他の人物も、相続放棄していることです。

その後特別縁故者になると、相続税の手続きを行わないとなりません。
相続税手続きは、相続確定から10ヶ月以内に行い、税金額は20%増えます。

・遺書に相続出来る旨を書いてもらう

遺言書は大きな力を持ち、遺言書に内縁者が相続できることを記載すれば、第三者でも相続は可能です。
ただ遺言書には適切に記載しないとならず、相続権利者が受け取れる権利のある相続分を侵害しないように、その分を考えて、どれぐらい相続させるか記載します。
もし全額内縁者に相続させると記載すると、遺留分を身内の相続権利者から請求される可能性は高いです。