遺言書はどこまで尊重される?尊重してもらえる境界線

考えるスーツ姿の男性

遺言書において指示できること・できないこと

遺言書はきちんと手続きをふむことで法的な拘束力のある強い力のあるものにすることができます。

ですがだからといって遺言書に記載をしておけばそこに書いてある内容は全て実行をされるかというとそういうわけではありません。

民法上の遺言書で指示できる内容は、あくまでも財産分配における方法と、認知など家族関係に関することだけとなっています。

ですので個人的に何かお願いをしたいことがあったとしたら、それは遺言書とは別にエンディングノートなどにメッセージとして残しておく必要があります。

ただし遺言書に法律と無関係な記載があったからといってそれで遺言書が無効となるわけではありません。

正しく作成された遺言書がある場合には、仮にその内容について相続人が異議申し立てをしてもその他の相続人がその遺言書を元に異議の却下を家庭裁判所に審判してもらうことができます。

遺言書以外に残しておきたいこと

法律に関係しない死後の処置や手続きについては混乱を避けるためにあえて別のところに書いて残しておく方がよいでしょう。

そのため遺言書とは別に作成をしておきたいのが「エンディングノート」という死後に残したい文章をまとめたノートです。

エンディングノートへ記載する内容は自由に書きこみをすることができますが、特に注意したいのが金融証券などの取扱方法や、死後に自分でかけておいた保険金をどうやって請求するかといった方法、その他に個人的に連絡をとってもらいたい人についてなどです。

エンディングノートの内容は遺言書と違って家庭裁判所などで有効性を確認してもらえるものではないので、仮に相続人がその通りのことをしなかったからといって特に罰則があるわけではありません。

ですのできちんとメッセージとして依頼をためには早めにノートの存在を伝達しておき、実行をしてもらえる信頼感を作っておくということが大切になります。