家族葬・お別れの会の気になる流れや費用

葬儀

近年さまざまな葬儀が登場する中、家族葬やお別れの会がスポットを浴びています。家族葬やお別れの会は、故人の遺族や親せきごく一部の親しい人たちだけでとり行われる葬儀です。ここでは家族葬やお別れの会が増えている理由などを調査してみました。

家族葬・お別れの会が増加している理由

葬儀の形も変わり最近では、家族葬またはお別れ会を選択する人が増えているのをご存じでしょうか。その背景には高齢化社会があるといわれています。本来葬儀は、周囲の人の力を必要としました。が、高齢化社会となった日本では、そういったことが体力的にも、精神的にも難しくなってきています。そのため、家族や周囲の負担を軽減するため、家族葬をとり行う人たちが増加しました。また、定年退職をして、年月が経ち付き合いが希薄になった結果、葬儀への参列者が減少したのも家族葬やお別れの会を望む人が増加した原因のひとつだといわれています。

経済的な負担が大きい

バブル崩壊以降の日本は先の見えない、不景気が続いている状況です。転職・求人サイトDODAによるとサラリーマンの年収も年々減り、2017年には、420万円とリーマンショックによる経済危機が起こった年より60万円低い金額となっています。さらにそれに追い打ちをかけているのは、高齢化です。高齢化社会になると、介護や医療に多額のお金がかかるようになります。これは、経済的な負担の大きさから、家族葬・お別れの会をとり行う人が増えている理由のひとつです。このように厳しい経済情勢の中ではお葬式だけでなく、高額な費用を必要とする冠婚葬祭は小規模な傾向になっています。

故人の遺言

家族に負担をかけないために、故人が遺言として家族葬をするように遺言書に残すことも少なくありません。家族葬を故人が希望する理由としては

  • 経済状況が好転しない中、葬儀に沢山のお金をかけてほしくない
  • 家族の手間をへらしたい
  • 核家族化による人間関係の希薄化や高齢化により葬儀に出席する友人が少ない

このような思いをいだく人が増えていますが、完全に葬儀をしないでほしいというわけではありません。
「家族だけにはしっかりと見送ってもらいたい」「ひとつの区切りとして気持ちを整理して欲しい」という思いから、家族葬やお別れの会をとり行い家族が故人としっかりと向き合ってながら見送ってもらいたいという気持ちの現れでもあります。

家族葬・お別れの会は故人とゆっくりお別れできる

通常の葬儀は、大勢の参列者がおり、遺族は一般参加者への対応や挨拶で常時忙しい状態。遺族の中には「参列者の対応で故人をとうとぶ時間もなかった」「気が休まらない」「葬儀があまりにも忙しく気がついたら葬儀が終わっていた」などの不満を漏らす人も少なくありません。一方、家族葬やお別れの会なら、ごく親しい友人などの近親者だけでとり行われるため大勢の参列者に対応する必要がありません。葬儀の中で発生する煩わしい気遣いも最小限にとどめられ、故人と向き合う時間をゆっくり作ることができます。

堅苦しい儀礼に縛られたくない

価値観の変化により、宗教観や伝統的なしきたりに対する人々の意識も変わってきています。そのため、中には、伝統的なしきたりを守ること自体にあまり必要性を感じない人も少なくありません。伝統的なしきたりよりもその家族、故人らしいお葬式の内容にすることも可能です。また、伝統的な風習にとらわれず、自分達らしい葬儀を模索し、家族葬でその世界を実現する人も増えています。家族葬はたくさんの参列者が来る一般葬とは違い、遺族や親せきなどの近親者のみで行うため、伝統的なしきたりよりも、遺族の思いを反映しやすい儀式の形となるでしょう。

家族葬とお別れの会の違い

家族葬とお別れの会にはどのような違いや特徴があるのか見ていきましょう。

家族葬

家族葬とは、外部からの参列者を基本的に入れず、家族、親せきのみで行う葬儀のことです。
密葬とも呼ばれこじんまりととりおこなわれます。

お別れの会

お別れの会は家族のみの家族葬と比較し、社会的なつながりのあった人や今後もお付き合いをしていくような人たちも参列者として参加する葬儀です。また、お別れ(告別)を主眼とし、宗教色を廃した「追悼行事」といえます。

家族葬・お別れの会の相場費用

葬儀内容に決まりがないため、出席神通や葬儀内容により価格は変わります。相場はおよそ40~100万円程度で、一般葬より小規模で行われるため、費用は安くなります。日本消費者協会が平成21年に実施したアンケート結果によると一般葬の全国平均は199,9蔓延だという結果が出ています。そのため、一般葬に比べると費用が安いのです。

一連の流れと所要時間

家族葬やお別れの会の一連の流れは、一般葬とあまり変わりません。ただ、一般葬と比べて参列者が少ないため、所要時間は短めとなるケースもあります。お通夜や、告別式の流れ、所要時間についてみていきましょう。

告別式

告別式の時間は3時間ほどになります。多くの場合9時に集合し12時に終わります。告別式が始まる、前の30分前から待合室の利用が可能となります。斎場への入場は通夜と同様遺族・親族の入場完了後に僧侶が入場します。その後司会が、告別式の会式宣言をします。ここまでで1時間程度かかります。その後喪主から順に焼香をし、葬儀・告別式に参列した方の焼香となります。焼香にかかる時間は家族葬の場合、30分程度です。焼香が終わると司会が告別式の閉式宣言をします。その後出棺となります。出棺では、故人の棺に愛用品や花を入れ、喪主が出棺挨拶をします。その後火葬場へ出発し約30分で火葬が終わります。火葬が終わると、骨壺へ丁寧に納骨します。多くの場合、葬儀場と火葬場が一緒になっていますが、離れている場合は移動時間がかかることとなるでしょう。

家族以外も参列できるか

一般葬とは異なり新しい葬儀スタイルとなります。そのため、家族以外が参列してもいいのか迷う人もいるでしょう。家族葬やお別れの会には、参列を避けた方が良いケースと参列可能なケースがあります。ただ、一般的に家族葬と連絡が来たら参列は見合わせた方が無難でしょう。

参列可能な場合

訃報の連絡に式場の場所や日程が記載されていて、なおかつ参列を辞退してもらいたい文書が明記されていない場合は参列できる可能性があります。ただ、原則として家族葬は、家族以外参加すべきではないという考え方のため、事前に連絡をして、参列をしても良いかチェックをしましょう。

参列を避けるべき場合

訃報の連絡に「参列を遠慮する」や「お断りする」という旨の文言が書かれている場合参列しません。また、詳細な葬儀場の日にちや場所が訃報の連絡に書かれていない場合も参列は控えます。つまり原則として家族葬と訃報の連絡にかかれている場合参列は見合わせた方が良いでしょう。生前お世話になりどうしても焼香をしたい場合家族に連絡を取り後日訪問するようにします。

まとめ

家族葬は一般葬に比べると自由度が高い葬儀ですが、通夜や告別式の流れは一般葬と変わりません。参列者が少ない分時間は短縮されます。また、家族葬に参列する場合は参列していいかどうか訃報の連絡で見極めるようにしましょう。