葬儀をセルフプロデュース

数珠

自分で自分の葬儀を取り仕切る方法

葬儀というのは普通誰かが実際に亡くなってから準備をするものであるため、通常死亡の連絡を受けてからわずか数日のうちに全ての手配を終えなければいけません。

そのため遺された家族たちは短い時間でたくさんのことを決めなくてはならず、必然的にどの葬儀社にするかやどういった方式で行うかということについて細かいことは業者や施設にお任せということになってしまいます。

そうした事情もあり現在一般的な葬儀の方法や手順は全国どこでお願いしてもほとんど変わらないものになってしまっています。

自分の亡くなったあとのことなんだから別にどうでもよいと割りきってしまうこともできなくはないのですが、現在では急な葬儀のときに慌てて支度をして余計な出費をしないようにと事前にしっかり見積もりやサービス内容の確認をするという人も増えてきています。

このとき実際に本人の葬儀を予定して家族たちが準備をするというと何か不幸を願っているというふうに感じられて心象的によくありませんが、そこに自分自身が積極的に介入するとなるとまた話は変わってきます。

家族にとってもいざというときの葬儀の用意や下調べをしたいけれども本人に悪いし、という遠慮がありますから、終活をするなら早めに家族に話を持ち出しできるだけ一緒にできるところは参加をしてもらうようにしましょう。

葬儀の方法をどのようにするか

自分の葬儀をプロデュースするなら、まずは葬儀をどういった方式で行うかということから考えていきます。

実際にあったトラブル事例として、本人が家族に内緒である新興宗教に入信しており、本人が亡くなったということで家族が普通の実家の檀家に依頼して葬儀をしようとしていたところに新興宗教の人たちが入ってきて大きなトラブルになったということがあります。

そうしたことは極端な例ですが、自分の実家でなんとなく行っているような仏式の葬儀以外の方法にしたいということならそのことについて家族にはしっかりと理解をしてもらうことが大切になります。

こと宗教関連のことというのは家族には言い出しづらいことかもしれませんが、もし実家が仏教で自分だけがカトリックに入信していたというようなことが合った場合などにはそのことを説明して、実際の式では喪主や会場についてどういった方法で手続きをするべきかということを納得しておいてもらいましょう。

また実家が檀家となっている仏式の葬儀をしたいということでも、例えば近所の人や会社関係の人にまで広く呼びかけるのか、それともできるだけ少人数で静かに式をしたいのかという規模についてもしっかり話し合いをしておくことが勧められます。

式の方法と規模が決まるとそれにかかる費用も自ずと算出ができるようになるため、最低限残しておきたい財産についても管理することができます。

増える埋葬方法についての希望

葬儀の自己プロデュースでもう一つ忘れてはいけないのが埋葬方法と入るお墓についての問題です。

既に実家に代々伝わっているお墓があり、そこに他の先祖の人達と一緒に入るということなら通常の火葬と埋葬の手続きをとればそれでよいのですが、問題はその他の埋葬方法を希望する場合です。

近年増えてきているのが「生前に確執のあった先に亡くなった家族と一緒の墓に入りたくない」という希望や、「亡くなったあとには埋葬ではなく散骨をしてもらいたい」といった希望です。

そうした場合にはまずしっかりと遺族に理解をしてもらい、その上で方法や手順について自分で詳しく調べて申し込みなどをして行く必要があります。

特に散骨についてはどこでも自由にお骨をまいてよいというわけではなく、地域によっては散骨をすること自体を条例で厳しく規制していることもあります。

遺族たちに余計な負担やトラブルの種を残さないように、そこはしっかり自分で調べて手続きまでまとめて残しておくようにしましょう。